罰ゲーム「妄想日記」⑦(最終回)よい子は読まないでね!
10月某日
今日もハードな残業。鉛の入ったような身体を引きずって家に帰り、玄関の鍵を開くと、部屋には灯りがついていて、キッチンの方からは、なにやらいい匂い。
「大野君?いるの?」
はやる気持ちでキッチンの方向に声をかけると、パタパタとスリッパの足音を響かせて、新妻のように駆けてきた大野君は・・・ぶっ!(鼻血)
は、は、裸エプロン!?・・・かと思いきや。いやいや、白いフリルつきのエプロンにランニングとパンツが隠れていただけでした。ほっ。危うく、帰宅早々貧血をおこすところです。
「おかえりぃー。遅かったね。ご飯にする?お風呂にする?それともぉー、さ・と・し、にする?」
・・・ぶっ!(鼻血)
大野君?それは一体なんの真似ですか。そんなこと言われたら速攻でお布団敷きますが、いいんですか?
「ま、また、そんな冗談ばっかり言って!お腹す、す、す空いてるから先にご飯を頂こうかなっ!」
平静を装っても動揺は隠せません。
今日の晩ごはんは大野君特製マグロユッケ丼。
「さっき電話でかぁちゃんに作り方訊いてつくったの」
ちょっと得意気。
「今、野菜炒めも作るから!」
ガス台に向かって、かいがいしくフライパンを振る大野君。視線が合わないのをいいことに、裸エプロン(違う)からにょっきり伸びる、細いながらも、めりはりラインの筋肉質なアンヨを思う存分眺めます。
引き締まった大臀筋、バランスよく発達したハムストリングス、形のよい下腿三頭筋、細くしまった足首。
はぁぁぁ・・・いやぁん、もう、後ろからタックルしてもよかですか?
今夜はこれだけでお腹が・・・いや、胸がいっぱいで、食事ものどを通りらなさそうです。思わず携帯のムービーで隠し撮り。
気配に気がついて振り向く大野君。・・・ちょっと冷たい目。(悲)
お味噌汁の具はじゃが芋と玉葱。ちょっと苦手なじゃが芋を外しながら食べていると、
「じゃが芋もちゃんと食べなさい」
頭をぺし、って叩かれました。うふん、しあわせ
(←ばか)
お腹もいっぱい、胸もいっぱい、1日の疲れが癒されます。美味しいごはんのお礼に、洗い物は私が引き受けて、その間大野君にはお風呂に入ってもらいます。
「ゆっくり入っててね?」
と声を掛けておいて、さっさと洗い物を片付けたら、今日こそ大野くんの背中を流してみせる所存です!
最後のお皿を拭き終えたとき、玄関でドアチャイムが鳴りました。
(こんな時間に・・・新聞の集金かな?)
返事とともに出てみるとそこには、顎にホクロのある、ものすごい美女が、鬼のような形相で立っていました。
「アナタが呑み助さんかしら?」
「は・・い。そうですけど・・・どちらさまですか?」
返事をするが早いか、鋭い平手打ちが飛んできました。
「この泥棒猫!」
!?
「智、ここにいるんでしょ、出してよ」
「大野君は今、お風呂に入ってて・・・」
カッ!とその女性の目の色が変わり、
「なによ!ちょっとぐらい美人だと思って!いい気になるんじゃないわよ!」(筆者注・妄想です)
「あなた、いったい・・・大野くんのなんなんですか?」
「私と智はね、付き合ってるのよ」
「えっ!?まさか・・・そんな・・・」
激しく動揺する私、まさか、まさか、大野君がそんな!これはきっと何かのまちがいに決まってます。
騒ぎを聞きつけて、大野君がお風呂から出てきました。
うぐっ・・・!ごぶ・・・ごぶほっ!(吐血)大野君、何故このタイミングで腰タオル!何故こんなときに限っての領サマ巻き!そして濡れ髪?最終回だからなの?最終回ゆえのサービスなの!?・・・ってそれどころじゃありません。
「大野君、この女性・・・誰?」
「智、私と一緒に帰りましょ!」
強引に大野君の腕を取る彼女は、ハンカチで鼻血を抑えています。
思わぬ事態に吐血してしまった私に対して、鼻血の彼女は明らかに、私より大野君の腰タオルを見慣れている様子・・・そういうことなの?そういうことなのね!?
「大野君のばかっ!しらないっ!!」
咄嗟に部屋を飛び出し、泣きながら駆け出す私。
だけど、いくあてなんてありません。近くの公園のブランコでひとり、泣きじゃくる私の前が一瞬真っ白になって、ふと視線を上げると、白いバスタオルを1枚腰に巻いただけの大野君が、息を切らして立っていました。
「探したよ」
大野君・・・・・そんな、夜中の公園に腰タオル1枚でハァハァ言ってたら、捕まるよ?
「呑み助、聞いて?彼女とはなんでもないんだ」
「嘘!」
「嘘じゃない!」
「だって・・・」
「俺が・・・俺が好きなのは呑み助だけだよ!」
「・・・ほんとに?・・・大野君を、信じていいの?」
「ほんとだよ。俺を信じて?・・・さぁ、涙を拭いて。おいで!」
とびっきりの笑顔で両手を広げる大野君。
ええ、もう迷わない。私、大野君を信じていつまでもついて行く!あなたのその逞しい大胸筋で涙を拭いていいのね?
「風邪、引かないうちに帰ろうか?」
「うん(くしゅん)」
「きゃッ!バスタオルが!」
「落ちちゃった!見ちゃ駄目!」
「やだもう、大野君たら!」
「あはははは・・・・」
「うふふふふ・・・」
大きな壁を乗り越えて愛を確かめ合った二人の前に、どこまでも続くシャイニングロードが見える・・・(見えません!)
終わった、とりあえずやり切りました。 妄想日記7日分。
おつきあいいただいたみなさま、おつかれさまでした~!


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